本日はコンサート評をメインにグルメ情報を絡めてお送りします。
本日メインのコンサートは綾歌アイレックスが会場。
なので車で出かける。
カレンダーなんかを買う予定があったのでそのアイレックスから近いイオン綾川に向かう。
ということで、昼飯はイオン綾川で頂くことに。
まず一階の食堂街をぐるりと見回してみる。
新しい店もちらほら見える。
色々迷うのだが、今回はしゃぶしゃぶの店「美山」で。
あはは。
まあ、もちろんちょっと肉を食べたくらいで急に発症する訳でもなかろうから、店に罪はないと思うのだが。
ただそれまで不摂生を続けてきただらしない私が悪いのである。
今日はそのリベンジもかねての来店。
今回は食べ放題ではなく、ランチ限定の肉二皿固定メニューを頼んでみる。
ただし肉は二皿のみ。
コースは肉の種類によって色々あるのだが、今回は奮発して鹿児島県産の黒豚コースを注文してみた。
出汁は二種類選べる。
一つは昆布だしで、もう一つは九州豚骨スープを頼んでみることに。
しばらくすると肉が運ばれてくる。
野菜やご飯と漬物も万端準備して。
オーッ。
総員かかれっっ。
(と言っても一人なんですが)
目指すは全面制圧だ。
最初、鍋が温まるまではご飯と漬物で腹を満たす。
そのあと、野菜と肉に取りかかり。
肉は二皿だと少ないかと思っていたのだが、食べてみると昼食には最適の量だということが分かった。
柔らかくて角がないのにコクがしっかりとある。
さすがに高い値段を取っているだけのことはある。
ちょっと感動すら覚える美味しさ。
野菜とご飯もしっかり食べて、とりあえずの全面制圧。
しかし気づいてみれば、全面制圧されていたのは筆者の方だった。
完全ノックアウト負けです。
大満足の昼食。
という訳で、同じくイオン綾川一階の食堂街にあるタリーズコーヒーへ。
バウムクーヘンとホットコーヒーのSサイズをもらう。
こうやって飲んで食べていると日頃の憂さも忘れます。
持ってきた雑誌を読みながらゆったりとコーヒーブレイク。
昼食で活性化した胃の腑が落ち着くのを待ちながら。
いや、まさに至福の時間です。
極楽、極楽。
珈琲はふくよかなコクが印象的だ。
余談だが、最近のタリーズのコーヒーは味がよくなったように思う。
気のせいだろうか。
さて、ゆっくりと午後のひとときを過ごした後は、イオン綾川を後にして本日のメイン、コンサート会場へと向かう。
「2017 まるがめ第九演奏会」、丸亀市綾歌総合会館アイレックス、十三時開場、十四時開演、全席自由、前売り一般二千円。
指揮 松岡究、演奏 瀬戸フィルハーモニー交響楽団。
毎年、年末の恒例となっているこのコンサート。
第九は何度聞いてもいいものだ。
飽きることがない。
しかし時の流れのなんと早いことか。
今年ももうこんな時期である。
こないだ第九を聞いて正月を迎えたばっかりのような気がするが。
そんなことはともかく今日はどんな演奏を聞かせてくれるか今から楽しみだ。
過去の資料やチラシなどが展示されているのを見るとどのコンサートも見覚えがある。
筆者もまた十年、通い続けてきたということか。
ちなみに第一回の指揮者は山田和樹さんで、たしかその当時はまだそんなに有名ではなかったように記憶している。
でもあの時の演奏の衝撃は凄かったなあ。
特にラストでの飛び跳ねるような指揮とそれについてくるオケの咆哮。
見応えがあったな。
そのコンサートの後々くらいから、山田さんをちょくちょくテレビなどで拝見するようになり、結果現在ではだいぶ有名になられたように思う。
十四時、定刻通り演奏会開始。
まず最初は、第九と同じくベートーベンの作曲、「エグモント序曲」。
序曲となっているのでオペラかと思うが、ベートーベンがオペラを書いていたというのは初めて知った。
インターネットで調べてみると、オペラというほど本格的なものではなく劇中付随曲といった感じらしい。
序曲の他に九曲ほどのソプラノの歌曲があるという。
が、現在では序曲のみが単独で演奏されることがほとんどという。
筆者は初めて聞く曲だ。
曲の終盤でめくるめくような悪魔の音とでもいうべき圧巻の展開が演奏される。
そこが聞きどころ。
音の洪水ときらめきが半端ない。
オケも全開の演奏で、今日もすごい一日になりそうな予感。
そして今年もやってきましたこの瞬間。
そう、第九です。
まずは炎の第一楽章。
若い時にはベースなんて気にもとめなかったのにな。
しかし、いい曲というのは決まってベースラインも秀逸である。
そんな低音と打楽器が大活躍するのが第一楽章。
曲の中盤、激しい音を鳴らす場面があるのだが、そこの演奏が圧巻。
思わず立ち上がって拍手したくなるほどだった。
欣喜雀躍。
これもまた最近、やたらと気になる遅い曲調。
若い頃には何も感じなかった緩徐楽章だが歳とともに身に沁みるようになってきた。
遅い曲調の演奏で気を付けないといけないのは、かつて指揮者の佐渡裕さんがテレビで言っていた「茹ですぎのパスタをさらに間延びさせたような」そんな遅さの強調のし過ぎ。
もちろん、そんなことは百も承知のオケ。
茹ですぎのパスタのようにはならず、かつて聞いたトスカニーニのエロイカ第二楽章のように、ゆったりとしたなかにも一筋の変わらないテンポ感が持続するような繊細で優美な極上の演奏を聴くことができた。
この日のオケは例年にも増して木管の音がよく鳴っているように聞こえた。
そして待ってました、ついにやってきた第四楽章。
冒頭の前三楽章の否定から始まり、あの有名な旋律がフルオーケストラで鳴らされた時、たしかに空中に壮大な音の建築が立ち現れたように思った。
今年は十周年記念ということで合唱隊も百人を超す成員が集まっているという。
いやあ、この音、まだ生で聞いたことのない人、是非聞きにおいでよ。
完璧な音の構築で聞く者をはるか彼方に連れて行ってくれる。
今年も聞けましたよ、圧巻のラスト。
毎年、これが聞きたくて来てるんです。
いやあ、第九って本当に素晴らしいものですね。
美味しい昼食を提供してくれたしゃぶしゃぶ美山の皆さんに感謝。
最高のコーヒーとお菓子のタリーズコーヒーの皆さんに感謝。
そんなイオン綾川の皆さんに感謝。
最高の音楽を届けてくれた指揮の松岡さん、オケの瀬戸フィルさん、合唱団の皆さん、四人のソリストさんに感謝。
その音楽を届ける手助けをしてくれた綾歌アイレックスの皆さんに感謝。
そして今日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。