本日は紀行です。
今回は和歌山県だそう。
高野山に近い場所にある和歌山県かつらぎ町。
その北部にある東谷、平、滝、広口の四つの村を総称して四郷と呼ぶらしい。
そこへ行く。
十一月、名物の串柿作りが始まると農家の軒先や周囲の柿干場に柿の玉のれんが一斉に吊るされるという。
それを撮りに行くのだ。
朝四時起きで旅の準備を整える。
そのバス、丸亀を出て高松を回りしばらくは一般道をゆっくりと進む。
途中、高松中央から高速に乗る。
お楽しみのSA休憩は津田の松原と淡路島の二回。
が、その淡路島で昼の弁当を積み込むのに手違いで配達が遅れていて約二十分の弁当待ちに。
まあ、急ぐ旅ではないので構わないのだけれど。
空いた時間を利用して写真を撮ったり、お土産を買ったり。
和風幕の内といった感じのお弁当で中々に乙な感じ。
関西風の薄味で嫌味がなく美味しい。
料亭っぽい味付けだ。
今回の旅ではこの弁当も旅費の中に含まれている。
ありがたいことだ。
お茶も付いていた。
十二時過ぎ現地到着。
地元の道の駅で講師の先生をバスに迎え入れて、いよいよ串柿の里へ。
そこにバスを停められる場所があるらしい。
無事到着。
皆で記念写真を撮った後、解散。
あとは好き勝手に撮影に入っていっていいそうだ。
早速近くを歩いてみると。
一帯は柿を植えた田畑が辺り一面に広がり、車一台がやっと通れるような細い道を登ってゆくと柿を干してある民家がちらほらと見える。
正真正銘、ほんとの山村である。
しかしその内容は強烈で、アンタら楽してガッポガッボ稼いどりそうやな人達ばっかりやな、といきなりの軽いジャブ。
そうなんです、とおどけて返した方が良かったか。
しかし実際にはホントのことを喋ってしまって、一応工場で働く貧乏な一労働者なんですと。
でもちょっと無粋だったかな。
シャレにはしゃれで返した方がよかったか。
いやあ、ホント馬鹿になれないんだなあ。
そんな固すぎる自分の心の浅はかさを改めて突きつけられる。
まあこれも旅の醍醐味の一つだろう。
ちなみにおばちゃんはその後も、私ら少ない額を稼ぐんにきゅうきゅうして毎日毎日必死なんやとも。
分かるなあその気持ち。
私も同じです。
けっこう写真を撮りに来ている人がいて、我が写真クラブ以外の団体もちらほらと見える。
中には写真でなく絵筆とカンバスを携えた一団も。
それこそまさに何だか「絵になる」雰囲気。
天気も良くて抜けるような青空にぽかぽか陽気。
道中、白い蝶々が舞っていたりして。
村全体は今が一番忙しい時期みたいで、そこに訪れた観光客の熱気と相まってなんとなく活気にあふれて華やかな雰囲気を醸し出している。
しかし、ずらりと並んで干されてある柿は壮観。
ふと、立ち寄った農家で農夫さんの写真を撮らせてもらい、住所を尋ねて後日、撮った写真を送らせてもらうことにしたりして。
その後、さらなる登り道が見えたので、どこまで行けるか登ってみようと思い立った。
ただ、山あいがかなり深くなってきているせいか、道中人影はほとんどない。
というか、歩いているのは私一人だけである。
十五分か二十分くらい歩いただろうか。
そこで、一軒の串柿農家を見つける。
ここが山の一番深いところかと思っていると、その家の人が言うには、まだ上に農家があって、ここまで来たならそこへ行った方がいいという。
なんでも大きな農家が数軒まとまって一つの村のようになっているという。
せっかくだから行ってみるとするか。
しかし歩いてみるとそこからだいぶ距離があるようだったので、バスの時間の都合もあり今回は途中で引き返してきた。
それに初めての場所では攻めすぎないというのも大事かなと。
どこか一片に余白を残しておくとでも言うのか。
そうすることでまた再び訪れることもできたりするし、実際そうなった時に楽しみも残されているというわけなのである。
適度な上り下りが楽しめる。
それにちょっと奥に入って行くと景色が抜群だし。
そんなこんなであちこち寄り道しながら歩いているとバスの出発の時刻が迫ってきた。
最後はふもとのあのバスを停めたお土産屋さんで土産物を買って。
そこで干し柿と羊羹を買ったのだが、帰ってからこれを食べてみると美味しくて、美味しくて。
特に干し柿は大きさも文句なく、また仕上げも美しくそれでいて値段も安い(三百円、五個入り)ので家族一同、感心しきりであった。
今日も一日、よく遊んだなあ。
来年はどこへ行くんだろう。
大満足の一日でした。
安全運行に務めてくれたバス運転手さんに感謝。
美味しい弁当を提供してくれて配達までしてくれた弁当屋さんに感謝。
安全と安心、快適な移動を保証してくれた高速道路の関係者の皆さんに感謝。
最高の一日を演出してくれた、串柿の里の皆さんに感謝。
おじちゃん、おばちゃん、ありがとう。
バスを停めてくれ、美味しいお土産を売ってくれたお土産屋さんに感謝。
楽しい旅を演出してくれた写真クラブの皆さんにありがとう。
そして今日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。