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Channel: 文芸 多度津 弘濱書院
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瀬戸内倉敷ツーデーマーチ

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本日は、春のウォーキングイベント参加の報告です。

イメージ 12017.3.11 土曜、「瀬戸内倉敷ツーデーマーチ」。
毎年恒例になっているこの行事、今年もやっぱり参加します。
特に今大会は現在の倉敷市が出来てから五十年、昭和四十二年に旧倉敷、児島、玉島の三市が合併して出来たのが今の倉敷市、の節目の年であり、また大会自体も今年で三十年目となる記念の年だそう。

大会は三月十一日、土曜と三月十二日、日曜の二日間に渡って開催される。
大会には、どちらか一日のみの参加でもいいし、二日間通しでの参加でも構わない。
値段はどちらを選んでも同じである。

イメージ 2事前申し込みの場合が、大人一人1800円、当日申込みなら2000円。
筆者は天気の様子を見てから参加を決めるため、いつも当日申込みを利用している。

コースはそれぞれ、40㌔、20㌔、10㌔、5㌔の四コースが設けられている。
この内、40㌔、20㌔、10㌔は土曜と日曜でそれぞれ違うコースが、5㌔コースだけは二日間とも同じコースが用意されている。

筆者は今回10㌔コースに参加する。
この大会に初めて参加した時に一度だけ歩いたことのある源平史跡コース。
イメージ 3ここ何年か、ずっとこのコースを歩きたいと思っていたのだが、近年は天候や自身の予定などとの折り合いがつかず、泣く泣く見送っていた。
今回、ようやくその願いが叶う。

受付は九時からで、出発は十時から。
それに合わせて家を出る。
朝六時二十二分の電車。
五時起きで備える。
天気は晴れ。
申し分のない快晴。

イメージ 4坂出からマリンライナー、七時発。
朝もやの瀬戸内海を車窓から眺めながら海を渡る。
岡山で乗り換えて、倉敷へと向かう。
車内にはツーデーマーチ参加者と思しき人達がちらほら。
今年も盛り上がってるな。
八時十三分、倉敷着。

会場の倉敷市役所までは駅から歩いて三十分ほど。
九時前に市役所に到着。

イメージ 5会場では、当日申込みと弁当の手配を。
弁当はここで申し込んでおくと、コース途中にある昼食休憩所で引き換えてもらえる。
いちいち、弁当を持って歩かなくていいのでこれは非常に便利。
なんせ道中持ち歩くのは引換券だけなのである。

その後、出発までしばらく間があったので市役所付属の喫茶で一服。
ケーキセットを注文。
ケーキはさくらロールというのを頼んでみた。
これがウマい。
珈琲も本格的な味で。
イメージ 6しかしこの喫茶、安くて美味しいのにはいつも感心させられる。
550円。

ところで、本日3.11と言えば、忘れもしない東日本大震災の日。
ちょうどその年の翌日にあったこの大会に筆者は初めて参加した。
当日、前日の大震災を受けて主催者側に今大会は中止ではないかと確認の電話を入れたのを今でもよく覚えている。
あれからもう六年。
早いもんである。

イメージ 7最近では福島県産の農産物も復活気味だとテレビの報道で聞いた。
農は国の礎であるから、その復興は大きな意味を持つと思う。
その一方では依然として福島県産の産物に対する風評被害の影響がまだ大きく残っているともいう。
従って、福島県の外に県産品を売り込むのは難しいとも。

また原発事故の影響で未だ故郷に帰れない人も多数いる。
一部、帰れるようになった地域もあるようだが。
一方で希望の光が見えつつあるものの、負の遺産もまだまだ多いということか。
一刻も早い復興が待たれるところ。

イメージ 8九時四十分、出発ゲートで準備運動開始。
ステージ上の先生の指導を仰ぎながら皆で身体の柔軟を。
その後、出発式。
倉敷市制発足五十周年ということで市長さんがいらしていた。
そしてスペシャルゲストにはなんと、倉敷市出身の元プロ野球選手、監督の星野仙一さん。
豪華だねえ。

午前十時定刻通り出発。
スタート地点で星野さんとハイタッチをした後、会場を出る。
イメージ 9いつもなら、市役所を出て北に向かうのだが、今回は逆の南へと向かう。
この時点でいきなり新鮮な驚きと感動。
道中、こんな道だったのかなと記憶を探りながら歩いて行く。

交通の接点、交差点などでは係の人が交通整理をしてくれていて安全対策はばっちり。
しばらく続く住宅街を抜けると川沿いの土手に出る。
いい眺め。
土手には水仙と菜の花が。
春だなあ。

イメージ 10そこからさらに南下して東へ向かうと源平の古戦場がある、藤戸地区へ。
その藤戸地区の中心に位置するのが藤戸寺。
ここではコーヒーの接待があった。
お参りを済ませた後、そこから歩いて五分ほどのところにある天城小学校が昼食の休憩場所。
弁当はここで引き換えてくれる。
十二時十分着。

イメージ 11
弁当は春らしいメニューのまつり寿司がメイン。
そこにから揚げやコロッケ、ミートボールに焼き魚などが。
ぱっと見、千円くらいの内容の弁当である。
しかし値段は七百円。
かなりなお得感がある。
味は濃過ぎず薄すぎず、ボリュームも程よい満腹感。

ここ天城小学校では味噌汁の接待も。
この日はけんちん汁だった。
しかしうまいんだこれが。
イメージ 12ありがたいお接待の人情が身に沁みる。
まるで味噌の中に愛情が浸みこんでいるかのよう。

十二時四十分、天城小学校発、帰り道へと。
復路は川沿いの道を延々と北上する。
折から気温も上がってきて春らしいぽかぽか陽気に。
日が差してくると上着を着ているのが暑いくらいに。

が、お腹が一杯になって満たされた心と身体でぽかぽかの春の陽気の中を歩いていると実にいい気持ちである。
極楽とはまさにこういうことかと。

イメージ 13そして川沿いの土手をしばらく北上すると、早咲きの河津桜が咲いている場所へ出る。
見るとちょうど今が満開のようである。
一足早いお花見気分。
実際、地元の人だろう、桜の木の下にお弁当を持ってきて花見している人もちらほらいた。

この桜を見れただけでも今日来た甲斐があったというもの。
是非、皆さんもこの桜を見に来てほしい。
生で見ると格別です。

イメージ 14桜並木を通り過ぎてしばらく行くと、そろそろゴールの倉敷市庁舎が見えてくる。
十四時十分、到着。
10㌔コース、無事完歩。

今年もこうして皆と一緒に元気に歩けた。
そのことが何よりうれしい。

そういえば、震災の後流行った歌の文句にこんなのがあったな。
「花は 花は 花は咲く 私は何を残しただろう」
イメージ 15私もそんなことが気になる年齢にだんだんなってきた。
今の自分だけのことでなく、後世に何を残すか。

しかしよく考えてみれば、一方で、何も残さない、いや残らないのが人間の営みというものかもしれぬとも思う。
例えば、千年前のもので現在も残っているものといえば、文学なら万葉集や源氏物語、政治体制なら天皇制など数えるほど。
後の全てはきれいに消え去っている。
もっと時間軸を長くして、人類が滅亡した後の地球のことを考えてみるなら、源氏物語も天皇制も、いや人間の営みそのものに全く興味を持たない生命体が中心となっているのかもしれない。

イメージ 16そうなると、残らないというところに希望がむしろある訳である。
きれいさっぱり消えてなくなる。
だからいいのだろう。
それでも、あなたはこの春、何を残しますか。


安全運行に務めてくれた鉄道関係者のみなさんに感謝。
円滑な運行と、安全管理を徹底してくれたツーデーマーチの関係者のみなさん、警備のみなさん、ボランティアのみなさんに感謝。
美味しいケーキとコーヒーの喫茶店に感謝。
会場を提供してくれた倉敷市役所のみなさんに感謝。
共に歩いたツーデーマーチ参加者のみなさんに感謝。
今日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。

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