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Channel: 文芸 多度津 弘濱書院
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全日写連香川 秋のバスツアー尾道

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本日は写真旅のバスツアーの模様を。

イメージ 12016.11.3 木曜祝日、「全日写連香川 秋のバスツアー尾道ベッチャー祭り」。
アマチュアの写真団体である朝日新聞社系列の全日写連、全国展開されている団体だが、その丸亀支部に筆者は属している。
その香川県傘下の団体による共同のバスツアーが今回開催された。
 
我が丸亀支部の集合場所は郡家にあるJA丸亀支部。
七時四十分発のバスなので七時前に家を出た。
天気は晴れ。
途中コンビニで水とおやつを仕込んで行く。

イメージ 2七時四十五分頃、定刻より少し遅れてバス出発。
今回は全部で四十一名乗車らしい。
さながら大人の遠足といったところ。
途中、運転手さんに話が通ってなかったらしく、坂出の待ち合わせ場所をすっぽかしそうになるトラブルがあったものの、その後は順調。

八時半頃、鴻池PA。
珈琲を買って飲む。
朝のこの一杯はやはり美味い。

イメージ 3車内では隣り合った会員のおじさんと話し込む。
なんでも進行性の癌だそうで五年生存率が50%だとか。
重い話だが不思議と湿っぽくはならない。
おじさんの温かい人柄によるものだろうか。

さらに話を聞いていると、病気のおかげで余分な欲望や無駄な執着がなくなって病気になって却ってよかったという。
そして明日よりも今目の前の今日を大事にするようになったとも。
お坊さんや修行者が激しい行の末、体得する境地を病気のおかげでいともたやすく手に入れてしまったようだ。
ある意味すごいことだと思った。

イメージ 4そして話していたのは、手術はともかく、その後の抗癌剤治療がキツかったということ。
強い副作用の割には効果のほどが定かでないそんな日々が続くそう。
治療費も嵩むそうだし。
副作用では十五度以下の水や空気に触れると激痛が走るという症状に苦しんだという。
何か気の利いた言葉でもかけてあげたかったのだが、いざ本人を目の前にすると何も言葉が浮かんでこないのが情けない。

おじさんは病気のせいで酒はご法度となっているそうだが、この日は小さな水筒に焼酎を入れてきていたようだ。
車内でそれをちびりちびりとやっていた。
おっ、話が分かるねえといきたいところだが、病気が心配である、おじさんどうかくれぐれもご自愛のほどを。

イメージ 5十時頃、尾道到着。
交流館から西へ出ると早速お神輿が練り歩いている。
数カット撮って、しばらくは街歩きを。
やっぱりメインより脇の方の風景に目が行ってしまう筆者。

尾道は海が美しい街。
海辺の風景はなんだかとても味がある。
海岸沿いは適度に工業化が進んでいて、昭和の港町の香りがする。
そして街の背後に控えるのは山。
坂の町とも言われる尾道の代名詞だ。
昼食は、各自自由に取るスタイルで十五時まで自由時間。

イメージ 6しばらくブラブラ歩いていると、どこからか祭囃子の音が聞こえてくる。
太鼓と鉦の音色。
いいねえ。
音のする方向へ近寄って行くと、行列の一番前で獅子と天狗が大暴れしている。
そうやって少しずつ移動しながら、街全体を練り歩いているようだ。
しんがりを務めるのは神輿。

行列に近づくと、祭りに参加している氏子さんたちもすでに一杯引っかけているのだろう、酒のいい匂いがする。
イメージ 7そこにどこかから流れてくる食べ物の匂いと街が醸し出す独特の匂いとが相俟って、さらにはごった返す人込みの混沌が混じり合う。
いいなあ、このカオスな感じ。
これが日本の祭りなんだよ。
サブちゃんの世界だね。

そして十一時、少し早めの昼食をとることに。
尾道交流館にある広島風お好み焼きの店「とまと」さん。
豚玉大、750円を注文。

イメージ 8注文してしばらく待つと運ばれてくる。
お、旨そうじゃないですか。
ちゃんとヤキソバも入っているし。
それでこの値段。
かなりのお得感がある。
東京なんかで同じようなものを頼むと平気で1200円とか1500円くらい取られる。
張り倒してやろうかというような価格設定だが、ここは味も値段も本場の正統派。

イメージ 9まずは一口、ウマい。
とろっとしていて中は程よい口どけ感。
ソースとマヨネーズの相性もいい。
変わった具材としてはれんこんが印象に残った。
お好み焼きの具材としては初めて味わったれんこんだが、ちゃんと火の通ったれんこんはほくほくとしていて、意外に合う。

そして少しクタッとなった野菜の旨味。
真ん中付近まで攻め進むと突如として現れてくるキャベツの塊。
レコレコ。
味も価格も大満足の昼食でした。

イメージ 10昼メシを終えて外に出てくるとちょうど交流館の広場で演舞をやっていた。
すでにすごい人だかりで下からはよく見えない。
が少し上がったところにある歩道橋の上に行くと割によく見える。
まあ、当然そこもすごい人なのだが。

この尾道のベッチャー祭り、讃岐豊浜のちょうさや大阪岸和田のだんじり、また東北のねぶたのようなパッと見の派手さというのはないものの、昔ながらの人を中心に据えた芸や演舞で魅せる、地味だけど好感の持てる祭りだと感じた。
演舞の最後、三人の天狗が揃って太鼓を叩くのだけれどこれが抜群に上手かった。
自然と撮影の手が止まり、思わず聞き惚れてしまった。

イメージ 11その後、東へと歩を進め商店街へ。
行くとそこでも演舞をやっている。
商店街のアーケードに祭囃子の音が反射して実にいい感じ。

その商店街を途中で抜けて、山手の方へ向かうと。
なんと、あの小津安二郎の名作、東京物語で見たのと丸っきり同じ風景が眼前に広がっているではないか。
まだ集合時刻まで若干の猶予があったので、しばらく山手付近を散策することに。

イメージ 12行ってみると味のある被写体が次から次へと現れる。
まさに撮影天国。
さらには上から見る尾道の景色も最高で、海と街とがとてもきれいに見える。
これは思わぬ掘り出し物だった。
いやしかし、掘り出し物と言うより、本来はこれこそが尾道のメインなのだろう。

十五時、尾道出発。
最後に向かうのはしまなみ海道沿いにある大島の展望台。
ここから夕陽を撮るのだそう。

イメージ 13バスを展望台の少し下に横付けして、そこから階段を皆で登って行く。
そこである人は三脚を立てながら、ある人は手持ちでとそれぞれのスタイルで撮影会の始まり。
上手い人のやり方を間近で見て盗めるチャンス。

夕陽が雲から出てくるタイミング、その光が海を照らすタイミング、そこにうまく船が入ってくるのを待つタイミング、そしてその船が海に残して行く航跡を見るタイミング。
潮、風、夕陽と自然のタイミングをうまく計りながら撮影に臨む。

イメージ 14この撮影で、筆者は風景写真にもシャッターチャンスのあることを初めて知った。
皆、こうして待って撮っているんだなと。
改めてそのことが、とても勉強になった。

そして最後、バスは帰路に着く。
十九時半頃丸亀に到着。
風景から街歩きスナップまで幅広い写真撮影が楽しめた今回の旅。
大満足の一日でした。


安全運行に務めてくれたバスの運転手さん、バス会社の皆さんに感謝。
最高の祭りを見せてくれた尾道の氏子さんたちに感謝。
飛び切りの昼食を提供してくれた、お好み焼きとまとさんに感謝。
尾道の町の皆さんに感謝。
きれいな夕陽を見せてくれた大島の展望台に感謝。
今日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。

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