詩
「死の欲動-忘却のパイプ」
なつかしいあのパイプ
情熱のあのパイプ
青春の熱い思い出を数えきれないくらい煙にして
燃やし尽くしたあのパイプ
親からもらった大事な体なのに
少しずつ少しずつ傷つけながら
毎日毎日一歩づつ死に向かって歩いていたあの頃
まるで片足立ちの綱渡りのように
しかし今はもう触れることさえなくなったあのパイプ
美しい木目が漆黒の闇に沈んで行く
誰の目にも触れられることもなく
ゆっくりとそしてひっそりと
忘却の彼方へと
私は昔、喫煙者でした。
煙草を止めてもう十年以上になりますか。
吸っていた時は、パイプスモーカーでした。
何事も源流をたどる癖があるもので。
葉巻なんかもよく吸ってましたね。
でも、煙草は止めた方がいいですよね。
今、どこへ行っても吸う場所がないでしょ。
私も止めて随分すっきりしました。
まだ吸っている皆さん。
この機会に止めてみませんか。
和歌
在りし日の 面影移す 我の背に
砕け散るよな 真白き鏡
川柳
全身が 痺れるような ホモの味
いきなり不躾で申し訳ありません。
最初にお断りしておきますが、私自身は同性愛者ではありません。
でも昔、子供の頃、ホモられそうになったことが一度だけあります。
小学校四年か三年くらいの時だったと思います。
近所にいる先輩の家にもう一人の先輩の友達と遊びに行った時のこと。
カーテンを閉め部屋の鍵を閉められ、なんか変だなと思っていたら、いきなり襲いかかられました。
怖かったなあ。
でも一緒に行ったもう一人の先輩が、どうやら裏で話が出来ていたらしくその二人で私一人を嵌める予定だったのが、良心の呵責からか、積極的に攻めてくる気が全くなかったのが幸いしてその場は何とか助かりました。
レイプの恐ろしさをその時初めて感じました。
そんな話を何故思い出したのかというと、最近気づいたことの中に自分の中にも女性に対してそういう思いを持っていることに改めて思い至ったからです。
例えば、ニュースなどで痴漢の話やレイプの話を聞くと、けしからんと思うのと同時に、やった奴は相当気持ちよかったんだろうなと羨ましく思う自分がいる訳です。
もっと若い頃には、そんな話を聞くとそれはネタに一本抜いたりしていたものです。
多かれ少なかれ、男の性にはそういう側面があるようです。
そこでハタと気付いたのです。
あの日、私を犯しに来たあの先輩は、一面において私自身の影でもあったのではないかと。
昔、矢野顕子さんだったか、佐野元春さんとの話の中で、洗練された価値観を持つ佐野さんが女性を敬って何事もその意志に反するような付き合い方はしないと言っていたのを聞いて、そういう恋愛と言うのは素晴らしいことかもしれないけれど、面白いものではないと言う意味のことを言っていたのを思い出します。
恋愛には、残酷に奪う側面というものが付きもののようです。
性犯罪の抑止の難しさはそういう点にあるのではないでしょうか。
愛と強奪とは欲望の中で常に一体になっている。
私自身も若い頃は年を重ねて大人になれば、セックスフレンドは複数いて、毎日やりまくる日々が来るのだと本気で思っていましたから。
浮気やフリーセックスが悪いことだと気付くのは随分後になってからのことです。
このように、後天的な教育において、強烈な性の本能による快楽に対峙するには随分と時間がかかるのが普通です。
昔、テレビの「笑ってこらえて」だったか、田舎のおじいさんが出てきて、自分の股間を指さして「ここには魔物が住んどるでのう」といって皆大爆笑していた場面があったのですが、冷静に考えてみると男の股間にはたしかにどんな艱難や理性の配慮をも退けてただ一途に真っ直ぐに快楽のみに向けて突っ走ってゆく「魔物」が住んでいるようにと思います。
短期的な視点から、性衝動を抑えたりスカシたりしながら、長期的に考えられる後天的な性抑止の教育に繋げてゆく。
そんな二段構えの作戦で臨むしか、性犯罪に対する対策はないように思います。
だから、沖縄などの米兵の性犯罪の抑止にもこれという決定打はないのだと思います。
上官はさぞかし頭が痛いことでしょうね。
私自身、これまで性犯罪に走ってこなかったのは、人間が立派だったからではなく、ただ臆病だっただけなのです。
女性に憧れながらも、いざ目の前にすると怖さが先に立つ。
その小心さが私を救ってきた、ただそれだけのことです。
そういう意味では私は運が良かったのだと思います。
本日も最後まで読んで頂きまことにありがとうございます。