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Channel: 文芸 多度津 弘濱書院
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「二泊三日 日光東照宮と日光金谷ホテルに泊まる旅」 vol.1

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本日は紀行の第一弾です。
今週と来週の二週に渡って、二泊三日の旅の模様をお伝えします。

イメージ 12016.5.2、月曜日から2016.5.4水曜日までの二泊三日。
今回の旅は飛行機を使う。
朝七時三十五分発、羽田行きの全日空機。
まずは高松空港に行くため、家を五時五十分に出る。
空港までは車で。

空港には五十分ほどで着く。
今回の航空チケットは旅割75という一番安いチケットを購入した。
往復で新幹線と同じくらいの値段。
天気は晴れ。

イメージ 2八時五十分、定刻より五分早く羽田に到着。
タラップを降りてバスで移動。
おかげで、空港内を長々と歩く必要がなく快適だった。
着いてみると東京はくもり。
予報とは若干違っている。

羽田からはモノレールには乗らず、京急に乗って浅草まで。
浅草に行くのは、東武特急に乗るため。
京急なら途中乗継なしで浅草まで行ける。
浅草から東武日光線の特急スペーシアに搭乗。

イメージ 3余談だが、子供の頃、東京や大阪の私鉄特急のブームがあった。
小田急ロマンスカーなんてのが話題になっていた頃。
それで一度、関東の私鉄特急に乗ってみたいという仄かな憧れが胸の奥にずっとあった訳。
今回その夢が叶った。

東武日光線、特急スペーシア、十一時発、六両編成。
六両目はなんと個室になっている。
筆者が乗るのは五両目の普通シート。
何だかわくわくするな。

イメージ 4乗り込んだ電車は、紫色のカラーに彩られた白い車体が印象的な直線的流線型が特徴の引き締まった顔立ち。
ただこの車体の色には、今回筆者が乗った紫色だけではなく様々な種類があるらしく、水色のものや橙色のもの、それに車体が金色のものもあるらしい。

発車十分前、車内清掃完了。
いよいよ乗り込めます。
座席は前後左右とも広々としており、一昔前の新幹線のグリーン車並みの広さと座り心地が楽しめる。
座席は青色を基調とした爽やかなしつらえ。

イメージ 5ちょうど昼時に差し掛かる頃なので、持ってきた弁当を食べる。
これは出発前、東武浅草駅に隣接するデパートで購入したもの。
中華の弁当だ。
旅先で食べ弁当の味はまた格別。

ちなみにこの列車、日光行きではなく鬼怒川温泉行きなので途中、下今市駅で普通列車に乗り換える。
日光まで約二時間の旅。
巡ってきた車内販売でホットコーヒーを注文。
酸味の効いた乙な味。

イメージ 6東京を抜けると車窓には美しい田園風景が広がる。
それだけ見ていると香川なんかとそんなに変わらない風景に心癒される。
ただ、こっちの方が土地が広いようだが。
川も大きいみたいだし。

特急スペーシアの三両目には、ビュッフェコーナーが設けられており、生ビールや軽食が楽しめるようになっている。
下今市で普通列車に乗り換えたら、まもなく東武日光駅。
午後一時前に到着。

イメージ 7メインの通りは渋滞がひどいらしいので、歩いて金谷ホテルまで向かうことに。
徒歩だと二十分から二十五分くらい。
日光金谷ホテルにはちょっと早めに着いたのだが、部屋の準備はすでに出来ているとのことで、予定を前倒ししてチェックイン時間前なのにチェックインをさせてもらった。
臨機応変なホテルのサービスに感動。

高級ホテルだけあって、サービスはいい。
荷物も玄関前まで取りに来てくれるし。

イメージ 8中に入るとクラシックホテルらしい重厚感が。
床は赤いカーペットでセレブ気分が味わえる。
部屋に入ると、中は落ち着いた造り。
これみよがしの凄さではなく、歳月の重みがさりげなく感ぜられるようなそんな雰囲気。
置かれている家具の、いかにも年代物らしいきずや塗装のはげ具合、古びたてかりが美しい。

チェックインして荷物を部屋に置いたら、今日の目的地、華厳の滝へ。
イメージ 9華厳の滝へは日光市街からバスで五十分ほど。
二日間乗り放題のバスチケットを購入して乗り込む。

が、この華厳行きのバスが超満員で、なんと筆者はバス車内で立ったまま、地獄のいろは坂に突入することに。
いやあ、しかし、これがけっこうキツかった。
華厳の滝に着く前までのちょっとした修行という趣。
でもバスは無事に到着。
安全第一。何よりです。

イメージ 10しかし、着いたはいいものの、辺りは一面ガスっていてどうも上からだと華厳の滝は見えない模様。
仕方ないので有料の見学用エレベータに乗って滝の近くまで行くことに。
これが案外よくて、近くまで行くとガスっているにも関わらず滝がきれいに見えた。

しかも少し霞んでいるのがかえって味になっていて、あたかも水墨画でも見ているような風情。
落差97m、水量毎秒一トン。
イメージ 11いかに不動明王様といえども、この滝に打たれたら一たまりもないのではなかろうか。
たちどころに首の骨を折って死んでしまわれますね。
感動です。

周辺の山景色も最高。
ただ気温はかなり低くて、平地とは二、三か月季節が違うような感じ。
沿道にはまだ桜が咲いていたようだし。
これから訪ねて行く人は服装にも注意が必要だ。

イメージ 12さて華厳の滝を堪能した後は再びバスに乗ってホテルに戻り、五時からの館内ツアーに参加した。
これは歴史ある金谷ホテルの見所を職員の方が案内してくださる無料のイベント。

まずは創業の話から。
金谷ホテルの創業者は、元は徳川家に仕えていたお侍さんだそう。
時代が江戸から明治に変わった頃、日本に来ていたヘボンさん(ヘボン式のローマ字で有名な)が宿に困っているのを見て、自宅を開放して泊めてあげたのがそもそもの始まり。

イメージ 13でもそのせいで徳川家からは破門の憂き目にあったとか。
しかしそれでもめげずに外国人向けの宿泊施設開設へと邁進したという。

そして金谷ホテルが誇る古いバー。
シングルモルトのウイスキーの品ぞろえが自慢だそう。
また音楽にもこだわっていて、なんと真空管アンプが現役で活躍している。
そのアンプを使ってジャズを聞かせるという。

イメージ 14また、本館の一階というのは実は最初からあったわけではなく後から造られたものなのだという。
当初は現在の二階と三階だけがあって、そこから下に岩盤を掘り進んで出来たのが現在の一階。
だから現在の一階は実は地下一階ということになるらしい。

また、食堂やフロントの前に置かれているランプなども明治製のものが現在でも現役で使われているらしい。
百年以上も前の電気製品が今でも実際に使われているとは驚き。
よほど作りがいいんだな。

イメージ 15また、新館二階にある大広間は部屋の中間に柱が全くない独特の工法で建てられているそうで、巨大な柱と鉄骨を中心とした吊り天井の方式を採用しているという。
そんな建て方をしているのは日本でもかなり珍しいらしく、建築関係の見学が絶えないそうだ。

まだまだ他にも、昔特有の少し変形して向こう側がゆらゆらと見える均一化されていない独特の手製大ガラスや、バカラの初期の薄いグラス、現在では高値が付いている、など見所はたくさんあったがこの辺りで。

イメージ 16前半最後は、お楽しみの夕食。
メニューは二種類から選べる。
まずは肉と魚のメイン二つの付いた四品コースと、魚が丸ごと一尾どどんと出てくる三品コースの二種類。
筆者は魚コースにした。

グラスワインの白もついでに注文。
今回は初日ということで移動も多かったので、疲れた体に夜のアルコールは一際身に沁みる。
まさに極楽である。

イメージ 17
ほどなくして前菜が出てくる。
日光名物生湯葉にえびを添えて。
まずは湯葉を一口。
旨い。
付け合せの野菜も美味。
ピクルス風の酸味の効いた味わいで。

続いてスープ。
たまねぎとチーズが入っている。
野菜のだしなのかコクの深い味わいが口の中に広がる。
どうしたらこんな深い味わいがでるのだろうかと不思議に思う、そんな味。

イメージ 18メインはニジマスのソテー。
金谷ホテルに連綿と伝わる伝統の一品。
醤油をベースとした甘辛い和風のソースで頂く。
まだ洋風の料理法や調味料が揃っていなかった頃、当時の料理長が苦心して生み出した和洋折衷の逸品だそう。

あっさりとした身で身離れもいいので思ったより食べやすい。
骨などは少しフォークですごけば、スッーと離れてゆく。
まいうーです。

イメージ 19
別皿で出てきたサラダも美味しかった。
素材がいいのだろう。
野菜の新鮮な美味しさ満開。

最後はデザート。
これも美味しい。
何しろ絶妙の甘さ加減なのだ。
決して甘すぎず、かといって物足りなさもない。
付け合せの果物も美味しい。
いいのを使ってるな。

イメージ 20いやあ、しかし贅沢だなあ。
こうして椅子に座っているだけで、後は次から次へと美味しいものが出てくるんだから。
何だかバチが当たりそうな。
でも最高の一時間半でした。


前半はここまでです。
来週の後半をお楽しみに。


安全運行に務めてくれた空港関係、全日空の皆さんに感謝。
同じく安全運行に務めてくれた東武特急の皆さんに感謝。
その他、鉄道、バスの関係者の皆さんに感謝。
最高のサービスとお料理を提供してくれた金谷ホテルの皆さんに感謝。
本日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。

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