本日は紀行です。
筆者が所属する写真クラブ主催の日帰り撮影旅行、今回の旅はバスでなく船で回る。
瀬戸内の島と岡山の港町を二か所巡る旅。
アートの島、犬島と、古くから風待ち、潮待ちの港として知られる岡山県牛窓。
参加費は7500円、弁当付き。
丸亀港八時発。
なので七時半頃に家を出る。
港へは車で十分ほど。
着くとすでにもう大勢の会員が来ている。
船は「にじ観光」という会社の船。
観光船。
見た目は小ぶりだが中に入るとけっこうな座席数がある。
七十人は乗れるとか。
八時過ぎ、出港。
船は波をかぶりながら大海原を進んで行く。
途中、瀬戸大橋の下を通る。
瀬戸大橋付近では船の中から写真を撮る人多数。
もう撮影会は始まっているのだ。
あはは。
今回、筆者が持って行ったカメラはつい最近買ったばかりのライカM3。
レンズは併せて買った、ニッケルエルマー五㎝ F3.5。
アクセサリーシューにセコニックの小型露出計を付けている。
そのカメラが何だか珍しかったのだろう、何人かの人から声をかけられた。
ライカは持っているだけで人を寄せてくるカメラらしい、とはこないだ読んだ本の中に書いてあった言葉。
たしかにその通りだ。
三十六枚撮りを三本持ってきた。
他の会員は皆、デジ一に高画質のレンズなんかで完全武装している中で、筆者だけは時代に逆行するフィルムカメラでのんびりと。
我ながら酔狂というか。
船の時間は予定より遅れて犬島に着いたのは十時四十分過ぎ。
島に一つしかない港の公衆トイレは、船から降りて駆け込んだわが写真クラブの面々により大混雑。
筆者もトイレが空いた時間を見計らってあわてて駆け込む。
早速、話を聞きながら写真を一枚撮らせてもらう。
撮った写真は後で送るので、おばあさんの住所を聞いたりなんかして。
その間、色々話していのだが、この島、昔は精錬所があったそうで、かなり栄えていたらしい。
当時、島の人口は3000人ほどだったという。
しかし、今はさびれて50人とか。
どっちがいいというより、どっちもそれぞれにいいのだと思う。
今では、アートの島として、洒落たカフェなんかが出来ていたりして、島の中には新しい風も吹き始めているようだ。
これからの犬島に幸あらんことを祈って。
犬島からは十一時半に出る。
そこから牛窓に向かう。
それに合わせてやってきたのだ、我々は。
この牛窓の祭りでは、神輿がフェリーに乗って隣の前島という島まで出張に出るという。
全国的にも珍しい光景なのだそうで、港にはカメラマン達が群がっている。
筆者もそれらしい風景を遠目から一枚押さえて、近くにあったお土産屋さんのベンチで昼食を取ることにした。
支給された弁当。
佐久間という地元ではけっこう有名な仕出し屋さんの弁当。
どう見ても千円以上の内容の弁当だ。
焼き魚も鶏肉も野菜の煮しめも大根なますもどれも万遍なく美味しい。
しかし、牛窓の海は美しいなあ。
晴れた日だったので海が陽に照らされてキラキラと輝いている。
日本のエーゲ海というキャッチコピーもちっとも大げさじゃないくらい。
今日はこれに会えただけで、もう帰ってもいいか。
いやあ、まだまだこれからじゃないですか。