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Channel: 文芸 多度津 弘濱書院
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松山 道後温泉一泊二日旅行

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本日は紀行です。

イメージ 12018.10.19 金曜日 10.20 土曜日の二日間。
今回の旅は車で行く。
まずは高速に乗って松山まで。

途中、豊浜SAで休憩。
珈琲を飲む。
300円くらいするやつでマンデリンとか何とか書いてある。
思わず勢いで買ってしまう。
しかし旨い。
苦みとコクとキレがある。

イメージ 2その後、石鎚SAにも寄った。
SA巡りも楽しいものだ。

そして十一時前、今宵の宿である道後の旅館に着く。
車と荷物を預けたら、道後温泉の電停目指していざ出発。
途中、商店街の食堂で少し早めの昼ご飯。
「味倉」。
刺身定食900円とハモのから揚げを。

しばらく待つとお料理が出てくる。
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刺身は三種盛り。
カンパチと鯛といか。
カンパチ旨っ。
こないだ地元の割烹で食べたのとおなじくらいに美味。

ハモのから揚げはさっぱりしていて身がふわふわ。
旨いねえ。
お吸い物の味もいい。
薄すぎず濃過ぎず。

イメージ 4
その後、チンチン電車に乗って松山の商店街、大街道へ。
パワーストーンを扱うお店なんかに寄ったりして。
また商店街の中の露店で売っていた野菜を買ってみたり。
そんなこんなの後、そこから歩いて愛媛県立美術館へ。

「巨匠が愛した美の世界 川端康成と東山魁夷」展を。
会期、2018.9.1 土曜日から10.21 日曜日まで。
開館時間、九時四十分から十八時まで。
一般1300円。

イメージ 5展示は前半、川端の作品や書簡、美術コレクションを中心に進んで行く。
川端の初恋の人との書簡から始まり、本の装丁や貴重な原稿などが。
また川端さんは美術にもかなり造詣の深い人だったらしく、そのコレクションも展示されている。
その川端コレクション、なかなかに深い味わいがある。

例えば木工作家の黒田辰秋の漆の小箱の作品。
研ぎ澄まされた感覚の中に浮き出る木工ならではの緊張感あるシルエット。
そしてそのフォルムを引き立てる木目の美しさ。
寡作の作家さんだそうだが、かなりの凄腕と見た。

イメージ 6絵画では古賀春江さんという人の絵が面白かった。
ほとんど無名のような人だと思うのだが、あたたかいメルヘンに富んだ前衛的な作風は見る人を魅了する。
有名無名に関わらず、そんな人にもちゃんと目を付けて評価し作品を購入していた川端の審美眼には改めて恐れ入る。

また初期の草間弥生さんの作品もあった。
「不知火」という作品で、抽象的な赤い炎のような火の玉が描かれたその作品は、その炎の中に全ての宇宙の根源が呑み込まれたように表現されているよう。
びっくりするような傑作。

イメージ 7
後は古典作品だと池大雅とか。
川端さんの美術の好みは少しあたたかみがあって、なおかつその中に生命の根源が記されているようなものではないかと見ていてそう思った。

後半部では、東山魁夷さんの絵画と、川端、東山という巨匠二人の交友、コレクションの展示を見せてくれる。
しかしお二人ともよく古典を勉強されている。
日本だけじゃなく、西洋の古典も含めて。
しかし東山さんの絵画は素晴らしいな。
その他にも見所は多数あり。
じっくりと時間をかけて見ることができた。
とても有意義だった一時間半。

イメージ 8その後、旅館に帰る。
道後温泉「花ゆづき」。
けっこう大きなビルである。
フロントでチェックインを済ませ部屋へと案内される。
預けておいた荷物はちゃんと部屋まで届けられていた。

ベッド付きの和室十畳。
最近リニューアルしたばかりとかで、畳も新しく気持ちがいい。
サービスも上々。
イメージ 9玄関先での素早く親切な応対や部屋までの案内も丁寧。

その後、部屋でしばらくゆっくりした後、お湯につかりに道後温泉本館へと。
二階休憩所付きの神の湯、840円。
味のある建物にあったまるお湯。
それにお菓子とお茶がついてくる。
従業員も親切だ。
少し火照った身体に二階休憩室の吹き抜けの風が心地よい。

イメージ 10その後、再び旅館に戻って、夕食を
夕食はホテルのレストランで。
地元産の豚肉のポパイ鍋がメインのお料理。
料理は九品から十品といったところ。
お造りは四種盛り。
中でもいかとマグロが美味だった。
サラダ、吸い物、釜めしはセルフで食べ放題。

前菜二種、それぞれに味わいがある。
イメージ 11メインの豚肉はやはり旨い。
脂がびっくりするくらいとろとろで、変な癖が全くない。
鍋のだしはブイヨンだろうか。
上手く肉の味を引き立ててくれている。

釜めしは三種。
たこと鯛と穴子。
デザートもある。
日本酒(別料金)も頂いておなか一杯。
最高の夕食だった。

イメージ 12夜はぐっすり寝て翌朝。
風呂は朝六時からやっているとのことで、とりあえず朝風呂を。
露店風呂もある。
最高ですな。

その後、昨晩と同じレストランで朝食。
朝食は七時からやっている。
今回は七時半で予約した。
和定食。
サラダとごはんに味噌汁、ジュース、コーヒー類は食べ放題、飲み放題。

イメージ 13味噌汁が旨い。
メインの焼き鮭も美味。
とろろやヨーグルトも付いている。

朝食後、朝の余韻を楽しみながらしばらく部屋でくつろいだ後、チェックアウト。
二日目の最初の目的地は石手寺から。
四国八十八か所、五十一番目の札所。
衛門三郎の回心にゆかりのあるお寺さんだそう。

イメージ 14とにかく寺全体が偉大なパワースポットらしい。
衛門三郎と言えば、若い頃お大師さんの心遣いを足蹴にしてバチがあたり、その後家族を一人一人奪われて天涯孤独の身となり、八十八か所巡りを逆打ちで回っている時、やっと念願のお大師様に遭えて回心したという物語が有名。

しかし、お大師様の策略というのはホントに恐ろしいな。
その恐ろしさたるやイスラムの原理主義なんかよりはるかに深くて怖い。
何故ならその虐待の本質は愛に満ちているから。
だからよけいに怖いのである。

イメージ 15また、奥の境内では老婆の集団が御詠歌を歌っておられた。
いやあ、味があるなあ。
御詠歌、けっこう好きなんです。

その後はお寺を後にして海へと向かう。
松山市三津浜にある三津の渡しが次の目的地。
この三津の渡し、わずか三分ほどの乗船時間なのだが、県の公道に指定されているため、乗船料は無料。

イメージ 16一帯はいかにも漁港といった感じのところで、はっきり言ってしまえば「何もない」ところなのだが。
しかしその何もなさが逆に滞在時間を長くすることに気付く。
一体どういうことか。

「何かある」と人間、その一か所から動かずに時間を潰そうとして結局短時間の滞在で終わってしまうのだが、何もないと逆に見るポイントが散漫になっているため、結局だらだらと時間を潰すことができるというわけ。
ここがまさにそういう感じだった。

イメージ 17しかし、なんとなく味のある漁村風景が続くこの一帯はまさに私好みの被写体のオンパレード。
思わず夢中になってシャッターを切りまくった。
ある意味、至福の時間。

三津の渡しで向こう岸に渡ると神社や俳句の店なんかがあったりする。
また伊予鉄も走っている。
この伊予鉄、けっこう歴史のある鉄道路線なんだそうでなんでも和歌山なんかの私鉄に次いで、日本で二番目に古い私鉄の路線だとか。

イメージ 18最後は砥部へと向かう。
砥部焼伝統産業館。
有料で砥部焼の秀作が展示してある。
二階には地元の作家や工房から集められてきた展示即売所も。
筆者もお土産にとっくりを一つ買った。

しかしここでサプライズが。
なんと砥部焼伝統産業館のすぐ隣に坂村真民記念館があるというのだ。
雑誌、「致知」でも度々紹介されている伝説の仏教詩人、坂村真民先生。
四国愛媛で暮らしながら、手製の詩誌「詩国」を発行しておられた。

イメージ 19まさかここで行き遭わすとは。
ほんとに何も知らずに行ったのに。
多くの人が憧れる伝説の場所がすぐそこにあるという。
で早速寄ってみた。

先生直筆の詩や言葉がセンス良くきれいに並べられている。
規模はそれほど大きくないが、ちょうど見やすい手頃な大きさの館といえる。
心の中に一陣の風が吹き抜けるような幸せな時間を過ごすことができた。
お土産に先生の本とお酒を買って帰った。

イメージ 20お酒はこの記念館から歩いてすぐのところにある酒蔵で作っている協和酒造さんの「初雪盃」という酒。
1500円くらいの純米酒を買ったのだが、値段以上の味。
若干の辛口で引き締まった香り高さが際立っていた。

その後、高速に乗って帰途に着いた。


高速道路SAや関係者、道路の安全を守ってくれている皆さんに感謝。
美味しい昼食を提供してくれた味倉さんに感謝。
安全運行に務めてくれたチンチン電車さんに感謝。
楽しいひとときを演出してくれた大街道の皆さんに感謝。
至福の美術展示を見せてくれた愛媛県美術館、並びに川端、東山展の関係者の皆さんに感謝。
最高のお湯とお茶とお菓子の道後温泉本館の皆さんに感謝。
優雅なる一夜を提供してくれた旅館「花ゆづき」の皆さんに感謝。
パワースポット、石手寺さんに感謝。
味のある旅路、三津浜並びに三津の渡しの皆さんに感謝。
砥部伝統産業館、坂村真民記念館の皆さんに感謝。
今日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。

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