本日は観劇の話題を中心にお届けします。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
2018.2.18 日曜日。
Clik here to view.

今日は高松で芝居を観る。
ので、まずは電車で高松へ。
十時一分発の普通電車。
高松へは十時四十五分に着く。
高松へ着いたらとりあえず昼食。
駅から歩いて丸亀町商店街まで出る。
今日のお昼はそこにある「鎌倉パスタ」で。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
今回、初めてパン食べ放題のセットを頼んでみることにした。
Clik here to view.

ちなみにここのパスタは全品、生パスタらしい。
濃厚ヤリイカと明太子のパスタを。
鎌倉パスタと言えば、イオン高松の店にはよく通ったものだった。
行く度に味が進化していて毎回のように筆者の舌を驚かせてくれていたのは今でも記憶に新しい。
その後、イオン高松に行くことがほとんどなくなったこともあって、最近はとんとご無沙汰であった。
しかし、商店街にも店はあったなと思い出して今回の運びとなった。
実に久しぶり。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
最初にまず食べ放題のパンから出てくる。
Clik here to view.

クロワッサン。
ホントに焼き立て。
サクサクで美味。
ちなみにここのパン食べ放題のシステムだが、注文するとテーブルの上に置く札みたいなのを持ってきてくれる。
それを立てて置くとパンがもっと欲しいという合図になり、寝かすと、もういいという合図になっている。
で、その札を立てたままだと、まるで椀子そばのように次々と店員さんがパンを進めてくれるという方式。
まあ、もっとも椀子そばほどせわしくはないのだが。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
しかし驚くのは本当にパンが焼き立ての状態で出てくるということ。
Clik here to view.

これには参ったなあ、ホント熱々なんだから。
よく焼き立てパンなどと書いてあっても実際にはそうでもないというのが多かったりもするがここのは違う。
正真正銘。
しかも店員さんが回ってくるのは注文や料理の運搬が暇になった時。
時間の有効活用でもあり。
これは久々のヒットメニューではないかと思った。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
さてメインのパスタは十五分ほどで出てくる。
Clik here to view.

まずは一口。
うまっ。
滅茶苦茶美味しい。
クリームソースの中に明太子、濃厚なコクと少しの辛み。
そしてヤリイカの風味。
そこに上に散らされた焼き海苔の香ばしさが加わって。
絶品です。
その後、パンも六個か七個くらいたべたかな。
大満足の昼食でした。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
その後は三越に移動して、地下一階にある喫茶パームスへ。
Clik here to view.

ケーキセットを注文。
税込672円と安い。
珈琲豆を専門に扱っている店がやっているところで、店内は狭いのですぐ満席になるが、価格の安さと質の高さは格別である。
ここも久しぶりに来るなあ。
今日のデザートは西内花月堂が作ったスイーツだとか。
キャラメルバニラのムース。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
まずは一口。
Clik here to view.

うーん、大人の味。
舌の上に残る濃厚さがありつつも変に甘ったるくないのがいい。
滋味が効いていて渋くて奥の深い味。
しかも食べて行くうちに腹にずしりくるボリュームもあるし。
いやいやなかなかどうして、とても美味です。
そしてコーヒー。
酸味の効いた、でも全体にバランスの取れたいい味で。
やっぱり専門店だけあって、コーヒーは相当旨い。
今日はきてよかった。
お気に入りの雑誌を読みながら至福の時間を過ごしつつ。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
さて芝居。
Clik here to view.

サンポートホール三階大ホール。
「シングアソング」、一般全席指定前売り4800円、十三時半開場、十四時開演、作 古川健、演出 日澤雄介、出演 戸田恵子、大和田獏、高橋洋介、藤澤志帆、岡本篤、鳥山昌克。
席は中央前目の一番いい席。
感謝です。
物語は故淡谷のり子さんの伝記を基に作られたそう。
楽しみだ。
時は米国と開戦間近の戦前日本。
主人公の女性歌手は憲兵隊の事務所に呼び出される。
ところが、この憲兵と主人公は水と油。
ここでは、主人公の憲兵への反抗ぶりがみもの。
聖戦敢行のためにはありとあらゆるものを総動員しようとする軍部。
そこでは芸術もまた戦のための道具に過ぎない。
全てのものはすべからく、戦争のために役に立つか立たないかで評価されてしまう。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
役立たずのまま社会におんぶにだっこの筆者には実に恐ろしい世界。
Clik here to view.
國のため役に立たない者は存在してはならぬというのは、実はとても怖い社会なのだと改めて思った。
最近読んだ雑誌に書いてあったのだが、小倉くめさんという障碍者の方がいらっしゃる。
現在は障碍を持つ人達のために雑誌をやってらっしゃるそうだが、その人の話に、かつて持って生まれてきた障碍のため、せっかくありつけた仕事をクビになって、しかも障碍の程度が国の基準よりも軽いため国からも見放され、ただいたずらに親の食い扶持を消費するだけの自分が、何の役にも立たない自分がとてもつらくて絶望したという。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
人間、役に立たないと自覚しそれを周囲から責められることがどれくらい辛いことか、そこには淡々と書かれてあった。
Clik here to view.
幸い、現在では障碍者のための雑誌の発行を生きがいとして感じられるようになっているそうで、何か社会のためになりそして自分自身の支えになるようなものを若い頃からずっと乞い求めていたその気持ちは現在は満たされているとのこと。
やっぱり、今すぐに役に立たないからといって人間や物をポイ捨てする社会はどこかいびつな社会なのだろう。
人や物が何かの役に立っているか立たないかは人間の認識力ではおいそれとは分からない。
人を使うのは人でなく、神仏の仕事だからである。
従ってその世界は玄妙で奥が深く、すぐにはそれと分からない。
だから、今役に立たないからといって、それを切り捨てようとするのは人間の傲慢というものである。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
それともう一つ、人間には誰かの役に立ちたいという願望があるのも事実。
Clik here to view.
それを上手く吸い上げることのできる社会かどうかということもとても大事なことだと思う。
その人にしか出来ない仕事や役割を与えてあげる。
徒に役に立たないことを責めないことと居場所を作ってあげること、その二つが理想の社会にとってはとても重要なことではないかと改めて思った。
今、時が違って平和の世となっているが、かつての「戦」が「経済」とその名と実を変えただけでかつてと同じような愚かな考えが繰り返されてはいまいかと少し心配になる。
Image may be NSFW.
Clik here to view.![イメージ 12]()
Clik here to view.
少し話が逸れたな。
しかし、その憲兵を演じる役者さん、これが実に上手くて、役人の厭らしさというのがよく体現されていた。
まさに慇懃無礼という言葉がぴったりの熱演。
その後、主人公の女性歌手は軍部の指令で皇軍の慰問に従事することになる。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
今度はそこで登場するお目付け役の下士官を巡って一悶着。
Clik here to view.
この下士官、典型的な木端役人の見本のような男で、馬鹿正直の純粋真っ直ぐ君。
この人も本当に上手かったなあ。
まさにそういう雰囲気を満載した演技だったもの。
がこの下士官、実は憲兵としては失格のある面白い過去が。
この辺り、脚本の設定の勝利だろう。
冷徹な役人が、真の芸術に触れることによって、真の人間らしさに目覚めてゆく一種の転向物語。
でこの転向物語に存在感を示していたのが大和田獏さん。
一人の男の頭の中身を変えるということは本当に大変なこと。
それを成し遂げる時、そこに必要なのは嘘偽りのない人間力だろう。
一人の男と男が差し向かい、腹と腹とで対峙する。
いかに人物が練りあげられているか、腹の力、胆力がそこでは試される。
だが表面はあくまでも柔らかく、軽く。
ベテランも素人もない、まさに一期一会の一瞬の邂逅。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
大和田さんはその難しい役を独特のペーソスを持って演じられていた。
Clik here to view.
さすがベテランの俳優さんである。
最後は特攻隊を巡る話へと進んで行く。
特攻の是非を巡って、純粋な立場から絶対的な非を唱える主人公と、かつて主人公の芸術に寛容な理解を見せてくれた大佐が今は転勤となって特攻の司令部にいる、がすさまじいやりとりを見せてくれる。
いかに優しく人間らしい心を持った大佐といえ、そこは帝国軍人。
命令とあれば従うしかない。
こうして、誰も望まないのに大局の狂った流れを止められない戦争の恐ろしさがあぶりだされてゆく。
この大佐の最後の責任の取り方にも注目。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
特攻を巡る描写は決して一方的になっておらず、それぞれの登場人物に沿って丁寧に各々の立場が描かれている。
Clik here to view.
また、実際に出撃する若者たちの罪のない純粋さもちゃんと描き出されていて感動した。
あの若者たちは神になったのだと。
主演の戸田恵子さんは歌も歌うし、演技も上手で、存在感もありさすがだなと思った。
あと、主人公の伴奏奏者を務める役をした藤澤志帆さんが、最初出てきた時、主演のベテラン二人を食うぐらいの勢いで感心した。
まあ、脇の役だから主役より目立ってはいけないはずなのだが、短い出番の中できらりと光るものを見せていたのは素晴らしいことだと思う。
見終わって思ったのはやはり平和の尊さ。
なんせ私のようなぐうたらな人間でも何とかやっていけるのが平和と言うこと。
これがもし戦争なら、私のような人間は真っ先に国家から抹殺されていることだろう。
ほんと今生きていることに感謝。
感動の二時間でした。
安全運行に務めてくれたJRの皆さんに感謝。
美味しいお料理を提供してくれた高松丸亀町鎌倉パスタの皆さんに感謝。
最高のひとときを演出してくれた高松三越地下一階のパームスさんに感謝。
そして絶品の芝居を見せてくれた「シングアソング」の皆さんに感謝。
サンポートホールの皆さんに感謝。
今日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。