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Channel: 文芸 多度津 弘濱書院
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ランチ&コンサート

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本日はコンサート評です。

イメージ 12019.4.28 日曜日。
まずは昼食から。
この日、立ち寄ったのは餃子の王将、丸亀店。
今回は車で来た。
コンサートがあるのは宇多津なのでちょうど通り道にある。

天気のいい日だったが、この季節にしてはちょっと寒い感じ。
でもなんとなくビールが飲みたい気分だったので、ノンアルを注文。
車で来ている時にはこれに限る。

イメージ 2料理はチキン原人セットというのを注文。
普通のから揚げとどう違うのだろうか。

しかし餃子の王将というのは、いい意味で人の力を頼みにする店なのだと訪れる度にそう思う。
とにかく従業員の数が多い。
最近の飲食店のトレンドとは正反対の戦略である。
がそれ故にこそ、昔ながらの食堂の趣があり、訪れる客には安心感が漂う。
しかも、オープンキッチンなのでまさに客と店員は「顔の見える関係」なのだ。

十分ほどしてお料理が運ばれてくる。
そこで改めて気づく。
そう、チキン原人とは骨付きチキンのことだった。
なるほどね。

イメージ 3ガブリと噛み付くと野趣あふれる趣でとてもおいしい。
付属のラーメンも出汁の味が効いていてしっかりとした味付け。
いい昼食だ。
ノンアルはアサヒのドライゼロ。
最近のノンアルはよく出来ていて、本当にビールの味がする。
で飲み終わると、何だか一杯飲んだような気になれるのである。
ありがとう。

その後、ユープラザうたづに移動。
コンサートまで、まだ時間があるので会場の向かいにあるケーキ屋さん「もりん」のカフェで一服。

イメージ 4さくらショートとホットコーヒーのセットを注文。
昼時なのでカフェは空いている。
持ってきた本を読みながらゆったりと過ごす。
こういう時間が大切なのです。

さくらショートは、桜餅なんかに使う塩漬けの桜の葉が入っている。
だから一口食べると桜の香りが口の中いっぱいに広がる。
スポンジは粗目の作りで、さくらクリームとよく合う。
コーヒーも本格的な味で美味。
感謝です。

イメージ 5

「小濱妙美コンサート」、2019.4.28 日曜日、ユープラザうたづ、全席自由一般1000円、開場十三時半、開演十四時。
それでは、ここで小濱妙美さんについて手短に紹介。

東京芸大卒業、同大学院修了。
1984年、政府給費生としてスイスに学ぶ。
1992年、文化庁派遣によりミラノへ。
1993年、ドイツの歌劇場と専属契約し、タンホイザー エリザベート役でヨーロッパデビュー。
日本では1990年から藤原歌劇団でデビューしている。
その後、数々の功績を残し、2008年香川名誉大使。
現在、京都市芸大教授。

イメージ 6開演五分前、宇多津町長さんの挨拶があった。
平成最後のコンサートということで。
で次の令和、つまり今年がちょうど宇多津の市制開始120年にあたるとか。
なんだか目出度い話である。

十四時、定刻通り開演。
前半最初は、大阪生まれの作曲家、貴志康一の作曲・編曲の作品を並べてある。
一曲目は童謡「さくらさくら」を貴志が編曲したもの。

イメージ 7小濱さんの歌を聞いて、まず感じたのは声が若いということ。
曲の出だしはどうも表の声で歌っていたよう。
途中から裏声を使う、オペラソプラノの発声になっていた。
もちろんマイク無しで、しかし声は驚くほど力強い。

その後、三曲は貴志作品絡み。
伴奏のピアノも秀逸で、強音部ではさすがの迫力。

次に、瀬戸内寂聴さんの詞に作曲家 千原英喜さんが曲を付けた「歌曲集 ある真夜中に」を。
イメージ 8全部で四曲ある。

二曲目「この星に生まれて」と三曲目「寂庵の祈り」と美しいメロディーが続く。
普通、この手の詞先と思われるような作品に曲を付ける場合、どうしても説明的な作りになってしまって、結果としてお経のようなメロディを付けてしまうようなことになりがちだと思うのだが、この作曲家さんは違う。
詞の意味も十分にくみ取りながら、しかもメロディの悦びも忘れてはいない。

イメージ 9
そして曲の根幹を支える寂聴さんの歌詞も深くて、それを歌う小濱さんの歌声も実に様々な表情の声色を使いながら、的確に詞の世界を表現していた。
最後の四曲目「ある真夜中に」では凄みさえ感じさせる現代曲風の不気味さが炸裂し、深い孤独とそれに付随する無償の愛の相克が描かれていて圧巻であった。

前半はここまで。
十五分の休憩後、後半へ。

イメージ 10後半はクラシックのオペラアリアを七曲。
どれも歌い込んだ得意の曲なのだろう。
細部までよく練られていいる。
それにしてもよく声が通るなあ。

四曲目のワーグナー「トリスタンとイゾルデより、イゾルデの愛の死」。
凄い勢いで疾走するピアノに不意打ちを喰らわすように絡みつくソプラノ。
いやあ、これはすごかった。

イメージ 11ところで、ソプラノのオペラアリアと言えば「娘心」だが、そこら辺りの表現も抜かりはない。
歌舞伎と同じで、舞台に上がれば年齢は関係ないのだろう。

最後のビゼー「カルメンより、ハバネロ」では客席から四人のボーカリストが飛び出してきて、悪女カルメンを演ずる小濱さんの相手をする。
しかしカルメンというのは本当に悪い女だな。
あはは。

イメージ 12この曲は途中歌い手さん全員が舞台から下りてきてくれて歌ってくれるのだが、間近で声を聞くとあら不思議、舞台上ではあれほど通る声だったから近くまでくるとさぞやうるさいのだろうと想像していたら、意外にもそうでもないのである。
近くで聞くとむしろ耳に心地いい音量。
逆に少し離れた時に、耳に感じる音量は最大になるようなのだ。
人間の声の不思議、オペラ歌唱の発声の不思議をまざまざと感じた瞬間だった。

イメージ 13アンコールはなんと四曲もやってくれた。
今回のコンサートは四電がスポンサーに付いてくれているため、非常に安価に楽しむことができるようになっている。
それゆえ、値段に比して中身は濃かった。
だから何だかとても得した気分。
大、大、大満足の二時間弱。
ありがとう。


イメージ 14美味しい昼食の餃子の王将さんに感謝。
至福のひとときを演出してくれたケーキ屋もりんさんに感謝。
最高の歌声、小濱妙美さんに感謝。
ピアノ伴奏の小濱良子さんに感謝。
そのコンサートを届けてくれたユープラザうたづさんに感謝。
スタッフの皆さん、スポンサーの四電さんに感謝。
面白い挨拶の宇多津町長さんに感謝。
今日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。


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