本年度最後の記事は、年末恒例の第九コンサートの評を中心に。
2015.12.20、日曜日、今年もやってきましたこの季節。
第九である。
今回は車での移動。
まず最初は昼食から。
月一回は通っている筆者お気に入りの中華のお店。
しかし、王将と言えば、未だに不可解なのが一年位前にあった突然の社長殺人事件。
ある朝、突然に銃で撃たれて死んだんですよね。
追悼。
その後、警察の懸命な努力で捜査は進んだものの、これという手がかりが得られないまま今日に至っているわけで。
それがここ最近になって、暴力団による殺人の線が浮上してきたとか。
何やら物騒な話になってきたが、一刻も早く真相が究明されることを願ってやまない。
十一時の開店に合わせて店に滑り込む。
今はちょうど麻婆豆腐のフェアをやっているらしい。
というわけで、麻婆豆腐を注文、430円。
それに餃子一人前、220円とライス中、160円を合わせて。
ちなみに筆者は、月二回ほど入ってくる新聞広告に付いている王将の餃子一人前無料券をいつも持ち歩いている。
今回もそれを使うことに。
今日はいつもに比べると店員さんの数が少ないようにも見受けられるが、チーム一丸となってテキパキと仕事を片付けていく様は見ていて気持ちいい。
注文から五分後、餃子とライスが先に運ばれてきた。
まずは餃子を一口。
旨い、ホント旨いねえ。
この餃子、かつて創業者の方がありとあらゆる餃子を食べ比べて研究に研究を重ねて、究極の餃子を創ろうと苦心して作り上げた力作と聞く。
まさに看板に偽りなしだ。
とにかく、にんにくの風味とたっぷりの肉の脂のバランスが最高の一品。
ちょっと辛めの味で、全体の色も濃い目。
好きなやつだ。
これも大変に美味。
舌に絡んでくる濃厚なたれと、口の中につるっと入ってくる爽やかな豆腐ののどごし。
まさに癖になるうまさ。
ありがとう、今日もいい昼食でした。
食後は、さめき信金の交差点を右折して十一号線に出る道へ。
食後の一服に立ち寄るのはコメダコーヒー丸亀店。
名前を書いてちょっと待たされたけど、十五分ほどで何とか座れた。
多少の待ち時間も店員の愛想の良さに少し救われる。
ケーキとコーヒーを注文。
ここコメダのデザートと言えば、シロノワールが有名。
筆者も一度食べたことがある。
サクサクのデニッシュ生地の上にアイスクリームが乗っているというやつ。
アツアツの上にひえひえという面白い食感のデザート。
と言うのも、なんとなくケーキの気分だったので。
そういう訳でレアチーズケーキ、410円を注文。
珈琲は1.5倍サイズのたっぷりブレンド、520円。
店内は木をふんだんにあしらった程よい明るさの空間。
椅子は全てえんじ色で統一されている。
座り心地も上々。
照明は間接照明と窓からの明かりが主で明るすぎず暗すぎず。
ケーキは程よく酸味が効いていていかにもレアチーズといった味。
少しスポンジの部分が固いような気がしたが、全体の印象は悪くない。
珈琲は本格的な味で、コクと苦みが特徴。
また珈琲を注文すると無料で付いてくる豆菓子のサービスも何だか面白い。
まったりとした時間を堪能した後、お待たせしました。
いよいよコンサートです。
「2015まるがめ第九演奏会」、2015.12.20、日曜日、全席自由前売り一般、2000円、綾歌アイレックス、十三時開場、十四時開演、指揮、林直之、演奏、瀬戸フィルハーモニー交響楽団。
会場のアイレックスは緑豊かな山里に建てられていて、周辺はとても牧歌的。
開演まで時間があったので、趣味の写真撮影を。
カメラ片手に周辺を散策。
天気が良かったせいもあるが無心にシャッターを押し続けていると何とも言えずいい気分に。
ほんと、いい所ですね。
一曲目は、ウェーバーの「魔弾の射手」。
お恥ずかしながら、筆者は初めて聞く曲。
だが、サビの部分の迫力の凄いこと、凄いこと。
オケも全開の演奏で、いきなり初手からブラボーレベルの怪演。
その後、合唱団が入ってきて、第九の演奏開始。
いよいよですな。
第一楽章は闘争の音楽。
暗い闇の中から陰鬱な闘いの本能がゆらりと立ち上る。
その後、曲は進んで、後半中ごろには少しずつ壊れて行くような音の狂気が背後に忍び寄るように。
戦いも限度を超すと狂気に変わるのか。
そして最後は余りもの闘争のためぼろぼろになったのだろう、朽ち果てた肉体をさしおくようにして勝利への執念のみが、はらわたを突き破って湧きあがってくるかのような凄まじい音の羅列。
改めて作曲家ベートーベンの恐ろしさを感じた瞬間。
とりわけ素晴らしかったのが打楽器で、オケの低音部と相まって全体に対する高い効果を見せてくれていた。
続く第二楽章もすばらしい演奏。
そして弱音の扱いが課題となる第三楽章へ。
第三楽章は天上の音楽。
全体的によく歌えているし、悪くはないのだが、地の部分でのオケの音が少し強すぎるようなのが多少気になった。
こればっかりは好みの問題もあるのだろうが、リズム的にも、もう少し連綿と続くような滑らかさが欲しいと思った。
いわゆる絹のような手触りというやつである。
昔、トスカニーニのベートーベン交響曲第三番、エロイカを聞いたことがあるがその緩徐楽章の素晴らしさが今でも耳に残っている。
あのレベルまでとは言わないが、それに近い音というのが、まあ筆者の好み。
とはいうものの、それも極めて高いレベルでの話であって、今回の演奏はあくまで水準以上の演奏だったと思う。
あの有名な旋律が、低音弦から始まり、オーケストラ全体に響き渡っていく様はやはり何度聞いてもいいものだ。
そして合唱と歌。
とりわけ今回、独唱の四人の声のバランスが例年にも増して優れていたように思えた。
合唱の方は、第一楽章からずっと座りっぱなしで待っていたのが堪えたのか、最初は余り声が出ていなかったが、要所は締めてくれた。
そして四楽章の大団円、最後のオケの咆哮。
やっぱスゴイわ、このオーケストラ。
今年は指揮者も若い人に変わっていたので、爆発力が更に増した感じ。
凄まじいまでのオケの熱量に会場からもブラボーの声が複数飛んでいた。
演奏が終わってからも興奮のため、ざわついた独特の雰囲気が会場を満たしていた。
これで二千円なんですからね。
信じられません。
アンコールはワルツを一曲。
思わず一杯シャンパンでも飲みたくなるような曲。
香川県の文化レベルの高さを実感できた一時間四十分でした。
おいしい食事を提供してくれた王将の皆さんに感謝。
優雅なひとときを演出してくたれコメダの皆さんに感謝。
最高の音楽を聞かせてくれた第九コンサート関係者の皆さん、オケの皆さんに感謝。
今日も最後まで読んでくれたあなたにありがとう。
本年もどうもありがとうございました。
皆さん、いいお年を迎えられますように。
来年もよろしくお願いします。